一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
60回大会(2008年)
セッションID: 2P15
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2日目ポスター発表
ヒト血管内細胞における食用植物抽出成分の終末糖化産物レセプターfull length-RAGEへの影響
*岡田 瑞恵岡田 悦政
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抄録

【目的】還元糖は、アミノ酸と非酵素的反応を経て縮合、開裂、架橋の形成の後、終末糖化産物(advanced glycation endproducts: AGE)を形成し、細胞表面の特異的受容体(receptor for AGE: RAGE)と結合する。ヒトRAGEには3つの種が確認されており、ここでは細胞膜透過性のfull length-RAGEに着目した。AGEが血管内皮細胞のRAGE mRNAレベルを発現誘導することが報告されており(Tanaka et al., J Biol Chem, 275, 2000)、我々は糖尿病性の血管障害を抑制することを目的とし、食用植物メタノール抽出成分がAGEに関与し、RAGEの発現誘導に対し影響を与えるか否かを検討した。
【方法】Samples 53種は、メタノール抽出し、dry-up後DMSO溶解した。Folin-Denis法によりphenolic compounds量を測定し、上位30種のsamplesを選択した。血管内皮細胞は、1x105個まき、CS-C 無血清培地、5% CO2、37℃の条件下で培養した。その後、高グルコース(4.5mg/ml)状態に調整し、samplesを原液、1/10希釈液を加えて、4日間培養した。ELISA法による測定(R&D systems: ELISA kit)を行った。
【結果及び考察】コントロール(DMSO)より有意に低いsamplesは、Onion-peel 6.50 pg/mL, Cow pea (1/10)9.75 pg/mL, Onion-rhizome 9.75 pg/mLであった。また高いsamplesは、Bitter melon-seeds 99.13 pg/mL, Small sweet pepper 69.88 pg/mLであった。30種のなかで最もphenolic compounds量が高いOnion-peel が最も値が低かったが、その他Samplesについて、必ずしも相関性は見られなかった。他の要因とともに、今回効果的なsamplesについて至適濃度の検討が今後必要である。

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