一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
60回大会(2008年)
セッションID: 2A2
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2日目口頭発表
ラット小腸アルカリホスファターゼ活性へ及ぼすビタミンKまたはビタミンK経口投与の影響について
*曽我部 夏子丸山 里枝子祓川 摩有五関-曽根 正江
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抄録

【目的】アルカリホスファターゼ(ALP) は、アルカリ性に至適pHを持つ亜鉛含有酵素で、リン酸エステルを無機リン酸とアルコールに加水分解する反応を触媒する。小腸ALPは、小腸刷子縁膜に高濃度に存在し、食事性因子によって活性が上昇することが示されているが、その生理機能については不明な点が多い。近年、緑色野菜や納豆に多く含まれているビタミンKには、骨代謝に対する作用など様々な生理機能があることが注目されている。本研究では、小腸ALP活性へ及ぼすビタミンK経口投与の影響について検討を行った。
【方法】7週齢SD系雄ラットを3群に分け、ビタミンK(フィロキノン:PK)を経口投与したPK群、ビタミンK〔メナキノン-4:MK-4(メナテトレノン)〕を経口投与したMK群およびコントロール群とした。投与後1.5時間、3時間、4.5時間において、小腸粘膜を十二指腸、空腸上部、空腸下部、回腸上部、回腸下部の5部位にわけて採取を行い、ALP活性を測定した。
【結果】ビタミンKの経口投与によって、小腸ALP活性の上昇が認められた。すなわち、PK群では十二指腸および回腸上部において、ALP比活性がコントロール群に比べて有意に高値を示した(それぞれp<0.05, p<0.001)。また、MK群でも、十二指腸、空腸下部および回腸上部において、ALP比活性がコントロール群より高値を示した(それぞれp<0.001, p<0.001, p<0.05)。本研究から、PKまたはMK-4のいずれにおいても経口投与による小腸ALP活性上昇作用が明らかになった。

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© 2008 一般社団法人 日本家政学会
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