一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
60回大会(2008年)
セッションID: 3P66
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3日目ポスター発表
慣用色名の認識について
星 尚子岡崎 理紗前田 博子*芦澤 昌子
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抄録

目的 慣用色名が2001年に新しく改定され、一挙に168色から269色に増加した。改定により新しく加わった色と今まである色の認知度を比べ、人々がどの程度慣用色名を知っているか、活用しているかを調べることにした。
方法 全色269色を対象に3択にて慣用色名を回答し、日常どのくらい使用しているかを調べた。調査の対象は10代20代30代40代50代の女性とし、アンケート調査は留置法で行った。調査者は全部で849人である。統計には『太閤』とSPSSを使用した。
結果 色名ごとの正解率を比較した。そして、正解率を四段階にわけ、それぞれの中で使用頻度が高いもの、少ないものに分けて傾向をみた。色名に基本色名がつくものの正解率、クレヨン・絵の具・色鉛筆に使われている色彩の正解率、生活に密着しているものの正解率を見た。(1)検定により世代差に有意差が見られた。(2)新しく加わった色名の方が正解率が高いという結果になった。(3)青竹色や紅梅色など、正解率が高かった色名でも日常生活での活用度が低い色名が多く見られ、一般の人々の傾向は基本的な色しか使用していないということが分かった。そのため色名を増やすという改定の仕方は本当に良かったのかという疑問も浮かび上がってきた。しかし、伝統がある色は残したほうが良いという意見や、教育のため、文化を理解するために何らかの形で色名を残したほうが良いという意見も多数あった。

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© 2008 一般社団法人 日本家政学会
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