一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
61回大会(2009年)
セッションID: 2C-1
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女子学生の朝食摂取と喫煙・飲酒との関連の検討
*木村 安美吉田 大悟
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抄録

【目的】朝食摂取の重要性は広く知られているが、平成19年国民健康・栄養調査結果における朝食欠食の状況では、女性は20歳代で最も高く、10年前、20年前に比較し増加傾向にあることが報告されている。本研究は、女子学生の朝食摂取と喫煙・飲酒、他の生活習慣との関連を検討することを目的とした。 【方法】対象者は福岡県内の大学、専門学校に通う女子学生319名(22.0±5.3歳)である。2008年4月~10月に自記式による生活習慣調査、食物摂取頻度調査を行った。朝食摂取については6つの頻度カテゴリーによる質問を行い、朝食の摂取が週5回以上を摂取ありと定義した。喫煙状況(現在喫煙、なし、過去喫煙、喫煙本数、喫煙年数)と飲酒状況(酒の種類、頻度、量)を質問し、喫煙量、飲酒量を計算した。年齢、居住形態、総エネルギー摂取量、飲酒および喫煙を交絡要因として調整し、多重ロジスティック回帰分析により朝食欠食のオッズ比を算出した。 【結果】朝食欠食者の割合は、86名(27.0%)であった。欠食者では非欠食者に比較して平均年齢、ひとり暮らしの者、アルバイトをしている割合および健康状態の低下を感じている者の割合が有意に高かった。朝食欠食は、喫煙、飲酒、不規則な生活時間、インスタント食品の摂取と正の関連性を示した。層別化による傾向性の検討を行った結果、喫煙量、インスタント食品の摂取回数は、朝食欠食と有意な正の関連性を認めた。(喫煙量:傾向性P値<0.0001, インスタント食品摂取:傾向性P値=0.001)一方、飲酒量と朝食摂取の間に有意な関連性は見られなかった。以上の結果より、喫煙やインスタント食品摂取が、朝食摂取と強い関連を持っていることが示唆された。

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© 2009 一般社団法人 日本家政学会
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