一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
61回大会(2009年)
セッションID: 2C-7
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ストレプトゾトシン誘導糖尿病ラットにおけるクルクミンによる破骨細胞形成の抑制
*稗 万美子下野 真未塚本 幾代
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抄録

[目的]抗酸化作用を有するクルクミン(Cur)がストレプトゾトシン(STZ)誘導糖尿病時の骨代謝に及ぼす影響を検討した。
[方法]ラットを対照群、STZを投与したSTZ群、STZ投与後4日目からCur 0.5%添加粉末飼料を自由摂取させたCur群の3群に分けた。STZ投与から2週間飼育後、血漿Glucose(Glu)濃度、骨形成の指標として血漿Osteocalcin(OC)濃度、骨のアルカリホスファターゼ(ALP)活性、骨吸収の指標として骨の酒石酸耐性酸ホスファターゼ(TRAP)活性、Cathepsin K(CK)活性を測定した。また、骨からRNAを抽出し、RT-PCR 法によって、破骨細胞分化因子RANKLの受容体であるRANK、破骨細胞分化に必須である転写因子c-FosのmRNAレベルを測定した。
[結果]STZ群、Cur群のGlu濃度は対照群より有意に上昇した。STZ群において、対照群に比してOC濃度、ALP活性は有意に減少し、TRAP、CK活性は有意に増加した。Cur群において、OC濃度、ALP活性はSTZ群と有意差が認められなかったが、TRAP、CK活性はSTZ群に比して有意に減少し、対照群と同レベルまで回復した。STZ群のRANKとc-FosのmRNAレベルは対照群に比して有意に増加した。Cur投与によって、RANK mRNAレベルに変化は認められなかったが、c-Fos mRNAレベルは有意に減少し、対照群と同レベルまで回復した。以上の結果から、CurはSTZ誘導糖尿病においてc-Fosの発現上昇を阻害し、破骨細胞形成を抑制することによって、骨吸収活性上昇を抑制することが示唆された。

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© 2009 一般社団法人 日本家政学会
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