一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
61回大会(2009年)
セッションID: 2D-2
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めん適性と官能評価値との関連について
*中村 洋
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抄録

【目 的】食料自給率向上のための小麦品種開発として、めん適性に優れる品種開発は特に重要であるが、日本のめんにおいて求められているめん適性は食感が重要なポイントで、主にめん官能評価試験(評点)および成分特性値により評価、選抜を行っている。そこで、個々の官能評価値がめん適性に及ぼす影響、関連についてのデータ解析を行ったので報告する。 【方法】めん適性の解析事例として、小麦品種改良における成分分析値、めん官能評価試験データについて、蛋白質含量、澱粉アミロース含量、アミログラフ値(最高粘度、ブレークダウン値)、めん官能評価評点{色、外観、食感(ゆでめんの固さ、粘弾性、滑らかさ、食味、評点の合計点数}を測定し、それぞれの成分分析値と官能評価評点値データとの関係を解析した。めん適性は官能評価の合計評点とした。 【結 果】めん適性は、ゆでめんの粘弾性、滑らかさ、固さ、ブレークダウン・食味、澱粉アミロース含量、アミログラフ最高粘度、蛋白質含量の順で相関が高かった。ゆでめんの粘弾性がめん適性と最も高い相関を示し、また、蛋白質含量、澱粉アミロース含量、アミログラフ値、他の官能評価評点におけるすべての特性と高い相関が認められた。めん適性は、成分特性値、官能評価における各評点項目が密接に関連していたが、ゆでめんの粘弾性に優れないとめん適性が明らかに低くなるので、ゆでめんの粘弾性が品種改良における最も重要な選抜指標になることがわかった。

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© 2009 一般社団法人 日本家政学会
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