抄録
目的 近年朝食の欠食が生活の質を低下させる可能性が広く認識されつつある。若い女性において性機能の障害は将来の妊孕性の低下に繋がる重要な課題であるが、この観点から朝食の欠食を分析した報告は少ない1)。そこで、近年若年層に広がっている朝食の欠食が月経に関係にどのように関係するのかを明らかにするために、アンケートによって実態調査し、さらに雌性ラットを用いて食餌制限後の給餌時間の差が性周期に及ぼす影響を実験的に検証した。
方法 18から20歳の女子学生386名を対象にインフォームドコンセントを得た後にアンケート調査を行い、欠食の有無、月経痛の程度、月経周期異常の有無について315名から有効回答を得た。また性周期が確立して間もない8週齢のWistar系雌性ラットを、活動期である暗期と非活動期である明期に給餌する2群に分類し、4週間 50%制限食で飢餓状態を負荷した上でそれぞれの性周期の変化を膣スメア法にて観察した。
結果 朝食の欠食群に月経周期の異常が有意に多く、また月経痛の程度も有意に強いという結果が得られた2)。一方で昼食および夕食の欠食群では有意な差は認められなかった。また50%制限食の負荷でいずれのラットも性周期の乱れが観察されたが、明期(非活動期)給餌群すなわち活動期に飢餓状態におかれている群は、暗期(活動期)給餌群に比べて正常性周期への回復が遅い傾向が認められた。以上の知見から、生活の活動開始期に行う欠食はより生殖機能に大きな悪影響を与える可能性が示唆された。
文献
1) Fujiwara T. Int J Food Sci Nutr 2003:54:505-509.
2) Fujiwara T et al. Int J Food Sci Nutr 2009 in press