一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
61回大会(2009年)
セッションID: 3P-23
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真空調理導入に向けての取り組み 第2報
*渡辺 いつみ藤本 真奈美佐藤 恵能井 さとみ鴫原 正世
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キーワード: 真空調理, 給食, 経済的効果
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抄録

目的本学給食施設における作業能率の向上を目指し、真空調理の導入を検討中である。第1報ではかぼちゃを用いて一般調理と比較したところ、人手を要する時間の削減や調味液量のロスが少なく作業能率向上と経済的効果が期待できた。また、組織の軟化、味の浸透が均一であるという結果が得られたことから、今回、現在給食で提供中の果物の中で最も人手を要するりんごで同様に比較・検討を行った。方法りんご(青森県産、ジョナゴールド、1個約150g)を用い、コンポートの一般調理と真空調理を比較し、試食を行った。一般調理は片手鍋を使用し、シロップ液と共にIHコンロで加熱、真空調理はシロップ液と共に真空包装後、スチームコンベクションオーブン(モード:スチーム、温度:95℃、時間:20分)で加熱した。さらに今回、真空調理ではシロップ液の変わりに直接グラニュー糖をまぶしたものも行った。結果シロップ液の使用量については、真空調理が一般調理の約92%減で調理可能であった。加熱調理時間については、真空調理が一般調理に比べて約16分短縮でき、人手を要する時間も約36分短縮できた。また、直接グラニュー糖をまぶした真空調理では、グラニュー糖の使用量が一般調理に比べて約97%減で、味・食感ともシロップ液調理を上まわった。これらのことから、真空調理の調味液使用量は大幅減となり経済的効果が期待でき、人手を要する時間も削減が可能であった。出来上がりは、真空調理では煮崩れもなく、見た目もきれいであったのに対し、一般調理ではカット方法による差があった。今後、さらに真空調理導入に向けた検討を進めていきたい。

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© 2009 一般社団法人 日本家政学会
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