一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
61回大会(2009年)
セッションID: 3P-40
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快適な補正用下着設計のための提案
圧感覚と被服圧からのアプローチ
横山 綾香*三野 たまき
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抄録

【目的】補正用下着は体型を美しく整容するために,一般的な被服よりも身体を圧迫するように設計されている.しかし人体を過多に圧迫することは,生理機能に影響を及ぼす可能性もある.そこで本研究では,人体に周応力を与えた時に発生する圧感覚と被服圧(以後ベルト圧とよぶ)を指標とし,快適な補正用下着の設計条件を検討した. 【実験方法】被験者は19~24歳の女子13名であった.彼女らに前夜7時間睡眠をとらせ,測定2時間前までに規定食を摂食させた.人工気象室(環境温度24.5±0.3℃,相対湿度50±0.5%)に入室後,液圧平衡方式による被服圧計測システムを用いて被服圧を測定し,圧感覚を比率尺度を用いて評価させた.実験_I_:2種類の実験ヘ゛ルト(幅2.5cmのインサイト゛ヘ゛ルトとコ゛ムヘ゛ルト)を用いて被験者が“ちょうどよい”と感じる長さに着用させ,その時のヘ゛ルト圧(立位・椅座位)を測定した.圧測定部位は,21測定面(頭部2面,胴部7面,上肢6面,下肢6面)の,計138部位であった.実験_II_:腹部7面計77部位に着目し,コ゛ムヘ゛ルトを被験者が“きつい”と感じる長さに締めた時の,ヘ゛ルト圧(立位)を測定した.〈結果・考察〉結果_I_:腹部で発生したヘ゛ルト圧は,上肢・下肢で発生したそれに比べ有意に低かった.コ゛ムヘ゛ルト着用時のヘ゛ルト圧は,インサイト゛ヘ゛ルト着用時のそれに比べ,有意に高い測定面が多かった.結果_II_:ハ゛スト,アンタ゛ハ゛スト,ウエスト,腹囲の各測定面に発生したヘ゛ルト圧は,ヒッフ゜・脚付根囲の各面で発生したそれに比べ有意に低かった.7測定面のヘ゛ルト圧と圧感覚との間には,どれも有意な指数関数的な曲線関係にあった.これらの結果から快適に着用できる被服圧の範囲を算定した.

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© 2009 一般社団法人 日本家政学会
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