一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
61回大会(2009年)
セッションID: 3P-48
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湿式人工汚染布の保管年数と洗浄性との関係
片山 倫子*山崎 明日香
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抄録

目的 (財)洗濯科学協会が販売している湿式人工汚染布は多成分系の汚れを含み表面反射率が40±5%の綿製汚染布でJISC9606電気洗濯機の基準汚染布として規定されており国内の洗浄研究において広く用いられている。この汚染布の一般的な使用期限としては購入後約1年を目安とされてきたがその根拠を明らかにした研究報告等がない。本研究ではここ10年間に購入した異なるロットの湿式人工汚染布について、保管期間が長期化することが各々の洗浄前の表面反射率や洗浄性に及ぼす影響について検討することを目的とした。
方法 湿式人工汚染布としては1999年から2008年に購入し、保冷庫で保存してあったロットの異なる6種を用いた。これらをJISC9606で規定されている模擬洗濯物(シーツ・Tシャツ・タオル・ハンカチ)の所定の部位に6種各1枚を取り付け、これを市販の洗濯用合成洗剤を投入した家庭用電気洗濯機の標準コース中の洗剤洗いで10分間だけ洗浄した。洗浄性についての比較は、洗浄前後に測定した各湿式人工汚染布の表面反射率から算出したK/S値から判定した。
結果 購入後の経過時間の異なる未開封の6種の湿式人工汚染布について2008年度購入品以外はすべて40±5%の表面反射率を保っていたが、2008年のものについては販売前の管理状態が悪かったためか明るすぎる汚染布が多く混入していた。同浴で洗浄した6種の汚染布の洗浄前後のK/S値の差はほぼ等しく、機種による洗浄性能の違いが見られた。

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© 2009 一般社団法人 日本家政学会
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