一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
61回大会(2009年)
セッションID: 2B-2
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韓国における家計構造と夫妻の余暇活動
*李  秀眞
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抄録

研究の背景および目的:韓国ソウルと京幾道に居住する20代から40歳の男女を対象としたF-GES韓国(ソウル)パネル調査によると、生活時間項目のうち、増やしたい項目として余暇時間をあげる人の割合が4割近くになることが確認できた。特に有配偶女性において、余暇時間の不足を感じる人はより多い傾向にあることも明らかになった。余暇時間は、仕事時間や家事時間などをはじめ、様々な要因との関係で決められると考えられるが、本研究では,家計構造と余暇活動との関係に注目する。したがって、本研究の目的は、家計構造を把握し、家計の所得・支出と夫妻の余暇活動の関係を明らかにすること、また、余暇活動における夫妻間格差を明らかにするすることである。本研究で用いる余暇活動とは、余暇活動の種類・頻度、余暇費用などを含む概念とする。 データ:本研究に用いるデータは、お茶の水女子大学F-GENSで実施した「家族・仕事・家計に関する国際比較研究-韓国(ソウル)パネル調査」である。本調査は、2003年から2007年までの5年間のパネル調査であるが、本研究では、2007年度の調査を用いる。調査対象者は、30歳から50歳の男女(男性535人、女性596 人)である。 分析結果:第1に、家計支出構造のなかで、夫のこづかいの平均金額は、2万4千ウォン(調査当時のレートで換算すると2400円)、妻のこづかいの平均金額は1万2千ウォン(約1200円)である。家計支出から、夫妻間の余暇活動および余暇費用に格差が存在することが予想される。第2に、余暇活動を、スポーツ、日常的趣味、旅行などに分けてみたところ、スポーツと旅行への参加経験は、有配偶女性より有配偶男性の方が高い傾向にあるが、日常的趣味は有配偶女性の経験率が高いことが確認できた。第3に、日常的趣味にかかる費用をみたところ、有配偶女性は約5万ウォン、有配偶男性は約6万ウォンで、活動の経験率とは異なる結果であった。

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© 2009 一般社団法人 日本家政学会
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