一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
62回大会(2010年)
セッションID: 2B-4
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女子学生の菓子類摂取と肥満・やせ、生活習慣因子との関連の検討
*木村 安美吉田 大悟
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抄録

【目的】女性の体重への関心は高く、平成20年国民健康・栄養調査結果では体重を減らすためにお菓子や甘い飲み物の量を調整している者の割合は47.5%におよぶ。若年女性のやせの問題が浮上する一方、日常生活において菓子類を食事代わりとしている状況が指摘されている。本研究は、女子学生の菓子類および食物・栄養摂取全般を把握し、身体状況や生活習慣要因との関連を検討することを目的とした。
【方法】対象者は福岡県内の大学、短大、専門学校に通う女子学生410名(19.6±1.7歳)である。2008年4月~2009年10月に自記式による生活習慣調査、食物摂取頻度調査を行った。菓子類摂取は7種類の菓子に対して摂取頻度と目安量を質問し、栄養価を計算した。年齢、居住形態、総エネルギー摂取量、飲酒および喫煙を交絡要因として調整し、多重ロジスティック回帰分析により菓子類摂取と身体状況とのオッズ比を算出した。
【結果】総エネルギー摂取量に占める菓子類からの平均エネルギー摂取量の割合は11.2%であった。摂取エネルギーの高い菓子の種類はチョコレート、アイスクリーム、スナック菓子の順であった。菓子類からのエネルギー摂取量と、総脂質および総エネルギー摂取量とのスピアマンの順位相関係数はそれぞれr=0.52(P<0.001)、r=0.47(P<0.001)であった。菓子類の摂取は、アルバイトあり、インスタント食品の摂取と正の関連性を示した。一方で肥満、やせ、生活満足度、ストレス、朝食欠食との関連はみられなかった。以上の結果より、女子学生では菓子類摂取によるエネルギー摂取割合は比較的多いが、肥満、やせとの関連はない事が示唆された。

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