一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
62回大会(2010年)
セッションID: 2C-1
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香辛料刺激による摂食ホルモン遺伝子発現調節の検討
*吉田 仁美北岸 靖子西村 友里松田 覚
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キーワード: グレリン, 香辛料, 遺伝子
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抄録

目的 多数の香辛料には食欲を増進させる働きがあると古くから言われているが、そのメカニズムは明らかになっていない。一方、ヒトの摂食を調節するホルモンには様々なものがあり、Ghrelin(グレリン)は、比較的最近に発見された胃細胞から分泌される摂食ホルモンである。Ghrelinは胃以外で、リンパ球や単球などの白血球細胞からも分泌され得ることが報告されている。これらをふまえ、リンパ球や単球細胞内でのGhrelinの遺伝子発現が、香辛料による細胞刺激により、どのように変化するのかを検討した。
方法 ヒトB細胞のDaudiおよびヒト単球細胞のU937を、種々の香辛料エタノール抽出液で刺激した。香辛料としては、ガーリック、レッドペパー、シナモンパウダー、パクチー、ターメリック、バジル、ブラックペパー、ガラムマサラ、オレガノ、パセリ、ナツメグ、月桂樹の葉などを用いた。24時間後に培養液よりRNAを回収し、RT-PCRによりcDNAを作製し、Ghrelinをターゲットとするprimerを用いたPCRで遺伝子を増幅した。電気泳動でバンドの濃度をコントロールサンプルと比較し、Ghrelinの遺伝子発現の変化を検討した。また、泳動バンドを切り出してシーケンス解析を行った。
結果 レッドペパー抽出液を添加したDaudi細胞において、Ghrelinの遺伝子発現上昇が認められた。また、シーケンス解析の結果、ガーリック、レッドペパー抽出液を添加したU937細胞においては、precursor Ghrelin遺伝子の発現も上昇していた。

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