一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
62回大会(2010年)
セッションID: 2H-2
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管理栄養士の連携の現状と課題
家政学の新しい専門性に関する基礎的研究の一環として
*小林 陽子
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キーワード: 家政学, 連携, 管理栄養士
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抄録

[目的]〈BR〉現在国民生活に関する諸問題の多くは、家庭生活および人間生活を主題としてきた家政学において無視できない課題である。これらの解決のためには、個別的な専門性や役割を発揮するだけでは不十分で、生活現象を総合的にみるという家政学の貢献が期待されるところである。しかし現実はそうとは言い難い。その要因のひとつに、家政学が時代認識や問題解決に対応した組織的な連携やネットワークづくりを十分に行ってこなかったことが考えられる。そこで、本研究は、家政系学部から就職者を多数輩出し、近年栄養サポートチームの導入により他職種との組織的な連携・協力を行っている管理栄養士に着目し、連携とネットワークづくりの現状と課題を明らかにすることを目的とし、家政学の社会貢献に必要とされる新しい専門性を明らかにするための基礎的階梯としたい。〈BR〉 [方法]〈BR〉管理栄養士の連携とネットワークづくりの現状と課題を明らかにするために、関東地域で働く管理栄養士12名に半構造化インタビューを行った。〈BR〉 [結果]〈BR〉インタビュー調査より把握できた管理栄養士の連携とネットワークづくりの課題は(1)コミュニケーション能力(2)自己アピール能力(3)他の職種と意見交換ができる十分な知識(4)事業を推進しうるマネージメント能力の4点であった。今後は家政系学部から輩出される他職種を対象に同様の調査を行い、共通課題を析出し、連携に関する家政学の専門性を提案したい。なお本研究は科学研究費補助金若手研究19700563の助成を受けたものである。

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