一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
62回大会(2010年)
セッションID: 2B-1
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ラットでのプロポリスによる体脂肪減少と脂質代謝改善の機構
*小城 勝相
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抄録

【目的】プロポリスは,抗炎症作用,抗酸化作用,抗ガン作用等が報告されている。以前,我々はラットにおける抗酸化作用を報告したが本研究では脂質代謝への影響を検討した。
【方法】4週齢Wistar系雄ラットを3群に分け,CO(対照)群には高脂肪食(20%ラード食),Low(Low propolis)群には対照食に0.05%プロポリスを添加,High(High propolis)群には0.5%プロポリスを添加した食餌を与え,8週間飼育した。白色脂肪重量,血漿脂質,肝臓脂質,脂質代謝に関わるタンパク質の発現をWestern blottingで測定した。
【結果と考察】体重は3群間で差はなかった。白色脂肪重量はHigh群で有意に減少した。脂肪組織のPPARγのタンパク質量はHigh群で有意に低かった。また,High群では血漿と肝臓のコレステロール,中性脂肪(TG)も有意に低かった。肝臓のPPARαのタンパク質量はHigh群で有意に高く,SREBP-1,HMG-CoAレダクターゼのタンパク質量は,High群で有意に低い結果が得られた。次にTGの吸収阻害作用を検討するため,6週齢雄ラットにそれぞれの1日量のプロポリスを投与し,30分後にオリーブ油を投与して,2,4,6,8時間後に尾採血を行い,血清TGを測定した。その結果,High,Low群ともにCO群と比較して有意な血清TGの減少が見られた。以上よりプロポリスの作用には,脂質代謝に関わる遺伝子やTGの吸収阻害が関与していることが示唆された。
 本研究は奈良女大の市 育代,堀 晴香,高島夕佳,足達乃理子,片岡亮子,山田養蜂場の橋本健二との共同研究である。

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© 2010 一般社団法人 日本家政学会
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