一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
63回大会(2011年)
セッションID: 2P-18
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5月28日
現在型環境変化による生活文化の変容に関する研究
食事摂取状況と栄養バランスについて
*大里 怜子千葉 俊之川崎 雅志佐々木 隆本間 義規原 英子
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抄録

目的 本学では50年程前に岩手県内の4地区を対象とした生活調査が行われていた。そこでこの調査結果をもとに50年前と現在では生活実態がどのように変容したかを把握するため、同4地区を対象とした衣食住および文化に関する生活調査を各分野連携のもと実施した。本研究では食分野に関しての変容を把握することを目的とした。
方法 対象の4地区にアンケート用紙を配布し、回答後に郵送してもらった。配布時期は2008年12月から2009年6月であった。アンケート項目は「家族構成」「住宅について」「衣類について」「食生活および食環境について」「健康・衛生面について」「文化について」「農業・漁業の従事について」であった。回収後集計し、項目ごとに担当者が比較検討を行った。本研究では「食生活および食環境について」の比較検討を行った。2)食事調査:アンケートで追跡調査への協力者を募り、承諾を得られた家庭の食事について調べた。献立と材料名の記録とデジタルカメラでの撮影による食事調査を行い、記録と画像をもとに栄養計算を行った。過去の食事については資料に記載のあった献立を用いて栄養計算行った。
結果 過去の食事において主食は毎食米飯であったが、現在の食事ではパンやめん類も主食として利用され多様化が窺われた。過去の食事形式はみそ汁・漬物が主だったが、現在の食事ではおかずが2から3品加えられた食事形式が大半を占めていた。栄養素別の摂取量について過去の食事では炭水化物の摂取量が多く、PFC比にすると炭水化物エネルギー比が約80%であった。現在の食事では多くの栄養素およびPFC比はほぼ適切な摂取割合であった。過去と比較し現在の食事バランスはよい方向へと変化したことが窺われた。

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