一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
63回大会(2011年)
セッションID: 2P-6
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5月28日
小学校5,6年生時の食事経験と大学生の食事観
*黒川 衣代南部 法子
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抄録

目的 平成17年に成立した「食育基本法」は前文で「子どもたちが豊かな人間性をはぐくみ,生きる力を身に付けていくためには,何よりも「食」が重要で」「生きる上での基本」と小児期の食生活の重要性を述べている.そこで本研究では小学時の食事経験が大学生になった現在の食事観に関連しているかどうかを調べる.
方法 徳島県内の大学に在籍する大学生を対象に2009年11月に質問紙による調査を行った(回収585票:学校教育学部381名,人間生活学部204名).主な調査内容は,属性,小学校5,6年生時の家庭環境,食事経験(共食頻度,食卓の雰囲気,食卓でのコミュニケーション,家事への参加,食教育,料理への配慮,食習慣),現在(大学生)の食事観(食事の目的,嗜好,栄養・バランス,調理,伝統,行事,食事の雰囲気,食事マナー)である.
結果 小学校5,6年生時の食事経験を上記括弧内の項目別に,大学生の食事観各項目(上記括弧内)と相関分析を行った結果,ほとんどすべての項目間で有意な相関関係が認められた。相関係数が0.3以上の関係が一番多かったのは,小学校5,6年生時の食事経験のうち料理への配慮で,その次が食卓でのコミュニケーションであった.小学校5,6年時の食事経験と大学生の食事観には関係があると考えられ,子どもの頃の食事経験の重要性が示唆された.

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© 2011 一般社団法人 日本家政学会
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