一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
63回大会(2011年)
セッションID: 2P-8
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5月28日
衣服管理に伴う資源・環境問題の解決に必要な概念の獲得を目指す高等学校家庭科授業開発
*長野 晴菜鳥居 咲希篠原 陽子
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抄録

目的 「国連ESDの10年」の採択を受け,平成20年の中央教育審議会答申「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善について」では,改善すべき事項に「環境教育」を挙げ,家庭科において「資源や環境に配慮したライフスタイルの確立,技術と社会・環境とのかかわりに関する内容の改善・充実」が求められた.家庭科では、自分・技術・社会・環境との関わりの中で学習し,生徒のライフスタイルの改善を目指す授業が必要になってきた.そこで,高等学校家庭総合の衣生活領域において,持続可能な衣生活を営むための授業が可能であるのかを検証し,授業開発を行った.
方法 わが国におけるESD実施計画他,国内外の関連資料を分析した。平成22年版高等学校学習指導要領解説家庭編と高等学校家庭総合教科書(平成14~18年検定,5社)の衣生活領域の環境に関する教育内容を分析した.これらから資源・環境に配慮したライフスタイルとは如何なるものであるのかを考察した.
方法 衣生活領域の環境に関する教育内容は,管理に伴う環境汚染の問題と資源エネルギー問題の2つに分類できた。これらは、家庭,世界,企業,行政などの実態に関する内容で,生徒に環境問題の主体は自分であることを認識させる記述は少なかった.教科書によっては,断片的知識しか得られないものもあった.新しい授業では,管理に伴う水環境汚染を取り上げ,生徒に環境汚染の主体は自分であることを認識させ,資源・環境に配慮したライフスタイルとはどのようなものかを考えさせる.そのために必要な概念・知識を獲得できる授業を開発した.水環境汚染の実態の認識及び課題の解決にあたり,科学的根拠を与えるための基礎実験を行った.

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