一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
64回大会(2012年)
セッションID: 3B-3
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口頭発表 5月13日 食物
葉酸卵、ほうれん草およびアスパラガスの葉酸量に及ぼす加熱調理操作の影響
*村上 恵原田 清佑渡部 和哉
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抄録

【目的】ビタミンB群の一種である葉酸は、赤血球の合成、タンパク質や核酸の代謝に関わる補酵素として働いている。最近では、葉酸が妊娠初期の胎児の正常な発育を助け、神経管閉鎖障害の発症率を低下させることが報告されているが、妊娠可能な年齢の女性は摂取基準値に到達していないのが現状である。その原因の一つとして、葉酸は調理操作により約50%損失することが考えられる。そこで、本研究では葉酸含有量の多い葉酸卵とほうれん草、アスパラガスを用いてゆでおよび炒め調理を行い、加熱調理操作による葉酸量への影響について検討を行った。【方法】葉酸の定量はLactbacillus rhamnosus ATCC7469を使用して微生物学的定量法で測定した。葉酸卵とほうれん草はゆで調理と炒め調理、アスパラガスはゆで調理を行い、それぞれ生と比較し残存率を求めた。また、葉酸卵とほうれん草を混合して炒め調理を行い、それぞれを別々に調理した場合の葉酸残存率と比較した。【結果】葉酸卵では、葉酸はそのほとんどが卵黄中に認められ、卵白中にはほとんど存在しなかった。調理後の葉酸残存率を卵黄で比較すると、ゆで卵では約85%、炒り卵で約80%、かき卵で約50%であった。ほうれん草では、残存率はゆで調理で約52%、炒め調理で約85%、アスパラガスではゆで調理で約90%であった。アスパラガスでは表皮の有無による差は認められず、アスパラガス中の葉酸はほうれん草よりも損失しにくいことが確認された。葉酸卵とほうれん草を混合し炒め調理をすると、それぞれを別々に炒め調理をした場合よりも全体の葉酸残存率は上昇し、葉酸卵がほうれん草の葉酸の損失を抑制したと考えられた。

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