一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
64回大会(2012年)
セッションID: 2P-18
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ポスターセッション 5月12日
スルメイカを用いたユニバーサルデザインフードの開発
石岡 久美子*早川 和江石岡 真移子山田 和歌子
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抄録

目的 摂食・嚥下機能の低下により常食摂取が困難になった高齢者や,幼児(離乳食後期)を対象としたユニバーサルデザインフードの開発を目的として,青森県の地域素材であるスルメイカを用いて試作を行った.イカはその物理的特性などから,摂食・嚥下機能の低下した人や幼児には敬遠されがちな食品であるが,介護食づくりを応用した加工をすることによって,摂取しやすくなり,使用機会の増加につながるのではないかと考えた.
方法 はじめに,スルメイカを市販のはんぺん,全卵,片栗粉,塩とともにペースト状にして400gずつに分け,16±1cm×13±1cm,厚さ1.3±0.2cmの板状にまとめたものを真空パックし,スチームコンベクションで15分間加熱した.冷却後,冷凍したものを,県内30の高齢者施設・保育園に使用方法の説明書・調理例(レシピ)とともに郵送し,施設入所者・園児および給食担当者を対象として試食を依頼した.試食後,質問紙調査によって食べやすさ,飲み込みやすさ,嗜好について尋ねた.
結果 調査の結果,施設入所者85名,園児13名,給食担当者109名,合計207名の回答が得られた.施設入所者・園児では,食べやすい・やや食べやすいと答えた割合が68.3%,飲み込みやすい・やや飲み込みやすいと答えた割合が69.4%,好き・やや好きと答えた割合が49.0%であった.給食担当者においてもほぼ同様の結果が得られた.自由記述では生臭さが残る,ぱさぱさ感がある,調理しづらいなどの回答がみられ,混合する食材の種類と割合,調理例などについて,今後さらに検討する必要性が示された.本研究は,平成23年度青森県ライフイノベーション新産業創出事業の補助を受けて行った.

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© 2012 一般社団法人 日本家政学会
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