一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
64回大会(2012年)
セッションID: 2P-32
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ポスターセッション 5月12日
宮崎県内の小中学生の味覚と食生活・生活習慣との関連性
*篠原 久枝奥田 豊子田中 紀子浅野 恭代東根 裕子濱口 郁枝康 薔薇
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抄録

【目的】近年,若年者の味覚の変化や味覚障害が増加していることが報告され,味覚教育の重要性が唱えられている.特に思春期は適切な味覚や食習慣を確立することが心身の健全な発育・発達に不可欠である.そこで,本研究では小中学生の味覚の実態と問題点を明らかにするために,味覚教育を実施し,食生活・生活習慣との関連性について検討した.
【方法】2011年2~12月に宮崎県内の小中学校4校の5~7年生(男子118人,女子114人)を対象に味覚教室を実施し,五基本味と天然だしの識別検査,食生活・生活習慣に関する質問紙調査を行った.本研究は宮崎大学教育文化学部研究倫理委員会の承認を受けた.
【結果および考察】味覚教室実施前の5基本味の認知度は「甘味」「苦味」「酸味」は高値であったが「塩味」「うま味」は低く,「辛味」を基本味とする回答が多かった.実施後は,「うま味」の認知度が高まった.五味識別能は「甘味」「塩味」は高値であったが,「うま味」「苦味」は低値であった.だしの認知度・識別能は「鰹節と昆布の混合だし」が低値であった.女子は男子と比較して「果物」「野菜」「和食」などの摂取頻度が高値であり,さらに「手伝い」「調理への関心」など調理行動が高値であった.一方,男子の「塩味誤答者」は「ファストフード」「スナック菓子」などの摂取頻度が高く,「料理の盛付け」など美味しさに関わることへの関心が低かった.だしの識別能高値群では「スポーツを楽しむ」「気分がよい」などの生活習慣が高値であった。以上の結果から,「家庭科」が男女共修必修である小中学校生の時に,食習慣の確立だけでなく,五基本味やだしについての教育,美味しさへの意識を高めるような教育が必要であろう.

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© 2012 一般社団法人 日本家政学会
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