一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
64回大会(2012年)
セッションID: 2P-43
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ポスターセッション 5月12日
日常着の色・柄嗜好と生活状況の関係
*岡村 好美長山 芳子土屋 貴代大泉 佳広湯地 俊史
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抄録

目的】色刺激として日常の社会生活に深く関係することの一つが着衣色である。衣服の色彩については多くの研究がなされており、衣服の色彩嗜好は具体的形態を伴った場合に変化することが報告されている。我々はこれまでに、着装者の好みが現れやすい日常着のTシャツ・パンツスタイルを基本とした色彩調査において、上衣の色彩には有彩色が好まれることや、個人差は上衣の色彩に現れやすいことを確認している。  本研究では、多色衣服の主要色相・色面積の大きさおよび地色との関係から、着装者の意識と嗜好の関係を検討した。 【方法】宮崎県と福岡県内の小学生と大学生576名(小学生;宮崎県:115名、福岡県:179名、大学生;宮崎県:166名、福岡県:116名、回収率:82.29%、有効回答率:95.88%)を対象として、2010年6月から11月において、色彩嗜好の調査を実施した。日常着としてTシャツを仮定し、色の分布として認識できるデザインの分布色の大きさ・地色との比較嗜好関係、柄の判断が可能なデザインによる同様の比較嗜好関係、および、全デザインを対象とした嗜好性と嗜好色について調査票を作成して用いた。  得られた結果を得点化し、単純集計の後、平均値の差の検定、因子分析により解析した。 【結果】1.分布色の大きさは小さい方を好む傾向と地色は白より黒を好む傾向が、宮崎・福岡の両県の調査対象者に共通して認められた。調査8対象において有意な差は、赤の場合の分布色の大きさと赤・黄緑・人物柄の場合の地色との関係において認められた。2.好みのTシャツとして選択した割合の因子分析結果では、調査8対象は3つに分類できることが認められた。3.嗜好色として回答した色種割合の因子分析では、男子は地域や年齢に関係なく共通性が認められた。

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© 2012 一般社団法人 日本家政学会
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