一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
64回大会(2012年)
セッションID: 2P-45
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ポスターセッション 5月12日
服色嗜好から見た小学生の日常着の色選択と着用者イメージの認知について
*長山 芳子金子 結花
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抄録

【目的】人は被服を手がかりとして対人認知をしており,服色も影響を及ぼすことが知られている。小学生が服色を着用した人に対してどのようなイメージを形成しているか,また服色選択において何を重視しているのか不明な点が多い。小学生の日常着の色選択行動について服色嗜好との関連で明らかにすることを目的とした。
【方法】調査対象者は福岡市内の小学校4年生と6年生の男女計369名,調査時期は2010年11月~12月とし,質問紙調査を実施した。提示資料1は服色イメージ調査用「カラークロス」とし,赤・黄・緑・青・紫・ピンク・白・灰・黒の計9色,各42cm×38cmTシャツ形の綿布を灰色模造紙に貼付した。資料2は着用服色調査用「カラー表」とし,有彩色5色相のLight,Vivid,Dullトーン,ピンク2種類,無彩色3種類の計20色(各6cm×4.5cm,日本色彩研究所配色カード)を灰色画用紙上に貼付した。調査方法は,カラークロスを黒板に掲示して,①服色嗜好,②着用者イメージを回答させた。続いてカラー表を各自に配布し,③日常着用色,②服色選択理由などを回答させた。
【結果】黒は男女70%以上が好きと回答し,次に男子が好きな色は青,赤,女子は白,紫,ピンクの順であった。各色の着用者イメージは,黒と紫が「大人っぽい」,黄「明るい」,赤「強い」,ピンク「華やか」に集約されたが,青は「冷たい」「すなお」「まじめ」などに分かれた。日常着を自分ひとりで選択する小学生は全体の70%であり,彼らがよく着用する色は黒が上衣40%,下衣32%を占めた。さらに彼らが通学時の服色で最も気にかけるのは,男子「好きな色」,女子「組み合わせやすい色」であった。学年では,4年生の方が6年生よりも嗜好および着用ともに有彩色を好む傾向にあった。

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