一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
66回大会(2014年)
セッションID: 3P-40
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ポスターセッション 5月25日
大学での調理実習による学生の調理に対する意識の変化
*平島 円堀 光代磯部 由香長野 宏子
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抄録

目的 現在の大学生や短期大学生は,料理をする機会が少なく,調理への意識や調理技術が低いことは当然となりつつある.そこで本研究では,大学で行われる調理実習の履修により,調理に対する意識の変化について検討した.
方法 2008~2012年の4月に大学および短期大学に入学した新入生467人を対象とし,調理の意識と知識に関するアンケート調査を行った.また,半期間の調理実習を履修後にも同様のアンケート調査を行い,その変化について分析した.
結果 調理実習履修後の料理頻度を履修前と比べて「変わらない」と回答した学生が61.9%だった.また,「増えた」と回答した学生は35.6%だった.入学時と比較すると「ほとんどしない」学生が減り,「週1~2回料理をする」学生が増えたが,全体では料理頻度に大きな変化はなかった.学生がよく作る料理にはカレーライスやオムライスが多く挙げられ,入学時と調理実習履修後で差はなかった.調理実習で行った料理形式では西洋料理に人気があったが,実習で行った料理のうち,家で作られたものは日本料理が多かった.しかし,実習後に家で作られた料理は,よく作る料理には挙げられておらず,日常的に作る料理としては定着しなかった.調理実習の履修による大きな変化は得意料理が増えたことだった.入学時に得意料理を持つ学生は28.6%だったが,履修後には46.5%に増えた(p < 0.01).調理実習を履修すると学生は料理することに自信がつくと考えらえる.

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