目的 タンパク質を多く含む食品の調理に注目し,日本,台湾,タイ,フランス,イタリアにおける食生活の国際比較を行うことにより,それぞれの食の伝統がどのように日常食に反映されているか解明することを試みようとしている.本発表では,タンパク質を多く含む食品の日常食における利用状況の国際比較を目的とした.
方法 調査は,2011年5月~12月に関東地域の136名,2011年11月~12月に台北居住の163名,2011年5月~2013年3月にタイ王国ラジャパートチェンマイ大学生100名,2002年11月~2003年2月にフランスストラスブール居住の107名,2011年11月~2012年4月に北イタリア居住の35名を対象に,自記式法により実施した.内容は,属性,連続した平日2日間の食事の記録とした.アンケート解析には,統計用ソフトSPSSを用い,単純集計,クロス集計,χ二乗検定などを行った.
結果 タンパク質を多く含む食品を用いた料理の出現数は,1人1日当たり日本5.3件,台湾3.8件,タイ3.8件,フランス3.8件,イタリア3.0件であった.食事別の出現率は,日本は朝食,タイは間食,フランスは昼食と夕食の割合が高かった.タンパク質を多く含む食品群の出現率は,日本は魚介類と大豆製品,台湾は卵類,タイは肉類,フランスとイタリアは乳製品の割合が高かった.(本研究は,2011年度~2013年度公益財団法人アサヒグループ学術振興財団からの助成を受けている.)