一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
66回大会(2014年)
セッションID: 2P-19
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ポスターセッション 5月24日
こなしの構成成分が物理特性および食味に及ぼす影響
*植松 美佳村上 陽子
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抄録

目的 和菓子は日本の食文化の1つである。しかし,食生活の洋風化により,和菓子の喫食頻度は減少傾向にある。そこで本研究では,和菓子の中の「こなし」に着目した。こなしとは茶席に用いられる上生菓子であり,色彩や造形の美しさと食感に特徴をもつ。こなしの物理特性は食感と密接に関連しており,物理特性に影響を及ぼす要因として材料と製法がある。こなしはこの2点において,他の和菓子とは特徴を異にする。一方で,こなしの材料の種類や配合割合,および製法については,地域や作り手などにより異なり,配合や製法に統一した基準はみられないのが現状である。こうした材料や製法の相違は,こなしの物性のみならず食味にも影響を与えると考えられるが,これらに関する研究は全く行われていない。そこで本研究では,つなぎの種類や配合割合がこなしの物理特性および食味に及ぼす影響について検討した。
方法 物理特性については,つなぎの種類(薄力粉と強力粉)と配合割合(0~20%)について検討した。食嗜好性調査は,静岡大学大学生を対象として行った。
結果 物理特性においては,薄力粉も強力粉も配合割合の増加に伴い硬さや付着性は増加したが,凝集性は変化がみられなかった。また,薄力粉と強力粉の間に相違はほとんどみられなかった。こなしの食嗜好性については,薄力粉においても強力粉においても,8~10%添加した場合に高い評価が得られた。

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