目的 食用花の有する機能性に着目し、本研究では食用花抽出物が抗菌作用を有しているか、品種や同じ品種間でも花色により抗菌作用に違いが認められるか検討を行った. 方法 ペーパーディスク法にて、供試菌株にStaphylococcus aureus NCTC10788(以下、S. aureus)、Echerichia coli NCTC12923を用いた.供試菌株は滅菌生理食塩水でMcFarland No.0.5相当(1.5×108cfu/mL、透過度74.3%)に調整し、使用した.試料20種は採取後、洗浄し、花弁のみにした後、乳鉢で磨砕し、ろ紙No.2を用いてろ過し、搾汁液を得た.搾汁液は無菌化にてフィルター(孔径5μm)滅菌処理した.滅菌済みペーパーディスク(直径8mm)に、各弁搾汁液を添加・吸収させ、調製菌液を塗抹した培地中央部に置き、一晩(約18時間)35℃下で培養後、ハロー形成(阻止円)を確認した.結果 阻止円が認められた試料中、ベゴニア(Begonia semperflorens–cultorum)花弁色の赤ではS. aureus NCTC10788において67%の確率で、ピンクでは両供試菌株において23%の確率で10mm以下の阻止円を確認した.白において阻止円は認められず、赤とピンクにおいて阻止円が確認された事から、ベゴニア含有アントシアニンが抗菌性に関与しているのではないかと考えている.