一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
66回大会(2014年)
セッションID: 2P-41
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ポスターセッション 5月24日
食用植物種子抽出物によるアミロイドβ誘導線維芽細胞死の抑制
*岡田 悦政岡田 瑞恵
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抄録

【目的】アルツハイマー型認知症(AD)は、病因とされるアミロイドβ(Aβ)を抑制する研究が様々試みられているが、根本原因となるAβ生成機構は未だ解明されず、幾つかの仮説が推察されている状況下にある。また、この生成されたAβによる細胞死抑制も重要な研究テーマとなっている。我々は、このAβによる細胞死抑制効果を幾つかの食用植物種子抽出物より見出した。そこで本研究では、これら種子抽出物によるAβ誘導細胞死抑制機構について、検討を行ったのでその結果を報告する。
【方法】1.植物種子はホモジネイトし、熱水抽出、ろ過後、0.20μmのフィルターを通し、サンプルとして用いた。2.線維芽細胞は、2000個/wellをまき、培地で5% CO2, 37℃の条件下で培養後、各濃度のSamplesを加えて24hr間培養、その後Aβ(10μM)を加え、さらに24hr間培養した。3.その後、細胞内酸化ストレス、細胞生存率及び培地中のインスリン量の測定を行った。
【結果及び考察】酸化ストレス実験において、Lettuce、Corn、Bitter melon、Komatsuna種子の150,75,7.5μL濃度のいずれかにおいて全て酸化ストレスを抑制した。一方Aβによる細胞死は、これらのサンプルにおいて至適濃度の違いがあるが、全て抑制し、特に、Lettuce種子はAβがない状態まで回復した。さらに、培養上清中のインスリン濃度測定実験においてAβによるインスリン量への影響は、Bitter melon以外のサンプルにおいて明らかな改善効果が見られた。今後、その有効成分について検討を行う。

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