一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
67回大会(2015年)
セッションID: 3I-5
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口頭発表 5月24日 食物
ベトナムで生産された茶の成分と風味の特徴
*内山 裕美子高橋 貴洋築舘 香澄岡本 由希加藤 みゆき大森 正司
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キーワード: ベトナム, , 香り
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抄録

目的 近年,緑茶の需要の高まりを受けて,緑茶の生産は増加の一途を辿り,2011年には世界の茶の生産量430万tのうち,緑茶が30%以上も占めるようになっている.緑茶生産国は,茶の原産国でもある中国は当然ながら,紅茶生産国としても知られているインドやスリランカ,ケニア,トルコ等にも広がりを見せている.本研究では,緑茶を生産し飲用している国,ベトナムの茶に着目し,茶の成分と風味の特徴および嗜好性について検討したので報告する.
方法 2014年に,ベトナム北部で生産された5種類の緑茶を試料とした.試料は,茶葉3gに熱湯200mlを加え,3分間浸出後にろ別して得られた浸出液および常法により完全抽出した浸出液を用いた.これらの浸出液について,カテキン(酒石酸鉄法およびHPLC法),カフェイン(HPLC法),アミノ酸(アミノ酸分析計)の測定を行った.さらに,味覚センサーを用いてうま味,渋味,苦味等を測定するとともに,官能評価も実施し,風味の特徴および嗜好性について検討を行った.
結果 ベトナムにおける緑茶の製造は,茶葉を鎌状の刃を用いて切るように摘み取った後,釜により殺青と乾燥を行う釜炒り緑茶であった.現地で飲用した緑茶は,渋味の強いものであった.カテキンを分析した結果,EGCGおよびECG含量の多いことが特徴であった.本研究で試料としたベトナムの緑茶は,釜炒り茶ということもあり,カテキンの分解物も認められた.また,味覚センサーの測定結果についても,分析したカテキン量に対応していたとともに,うま味および渋味の余韻が強く,口の中に残る風味であることが示された.

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© 2015 一般社団法人 日本家政学会
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