一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
67回大会(2015年)
セッションID: 2P-19
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ポスター発表 5月23日 食物
熊本県産郷土酒赤酒を添加した炊飯米におけるにおいおよびテクスチャーの影響
*宮田 美里島村 綾西念 幸江峯木 眞知子
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抄録

目的 熊本県特産の郷土酒の赤酒は、本みりんと糖度、アルコール度がほぼ同等で、調味料として使用されている。これまでに、赤酒の成分溶出抑制や味の浸透性向上、てり・つやの付与は、本みりんと同等またはそれ以上であることを報告した。そこで、本研究では、赤酒のにおい抑制効果に着目し、飯臭に及ぼす影響を検討した。
方法 平成25年度産コシヒカリ無洗米(株式会社神明)を用い、浸漬後に米重量の1.7%の料理用赤酒(瑞鷹株式会社)または本みりん(タカラ酒造株式会社)を添加した。対照として、添加なし米を炊飯した。炊飯後、室温に30分放置し、そのにおいを、におい識別装置(株式会社島津製作所 FF-2A)で測定し、「臭気寄与」、「類似度」、「臭気指数相当値」を比較した。飯のテクスチャーは、クリープメータ(山電株式会社RE2-33005B)で測定し、官能評価を行った。
結果 飯の「臭気指数相当値」では、添加なし飯12.5、赤酒飯17.9、本みりん飯17.7で、赤酒飯および本みりん飯が添加なし飯より高かった。添加なし飯では、「臭気寄与」で、有機酸系が検出された。赤酒と本みりんを添加した飯では、アミン系、アルデヒド系、エステル系、芳香族系、炭化水素系が検出された。赤酒を加えた飯の官能評価では、飯臭が抑えられ、後味が弱くなる様子が見てとれた。赤酒のマスキング効果によるものと考える。

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