目的 秋田県内の複数の町では特産物としてキイチゴの栽培に力を入れている。本学健康栄養専攻では、県が私立大学・短大へ助成する補助事業(地域貢献枠)を活用し、平成25年~26年に「生産者、大学、地域住民を結び、秋田県産キイチゴ活用を広める試み」に取り組んでいる。事業内容はキイチゴの特性をいかした調理の考案や食品の生産、キイチゴを使用した調理を地域住民に提供するクリスマスパーティーの開催、学生と農家の交流活動、等多岐にわたる。今回はその中で短大のブランドとしてキイチゴジャムを作成し販売した実績について報告する。
方法 ブランド化するにあたって、6種のキイチゴジャム(国産、外国産を含む)を購入し、糖度、pH、水分活性を測定し官能検査を行った。ジャムの販売については、秋田市の食品衛生課や秋田県食品総合研究センターから、糖度60%以上、水分活性0.7-0.9の範囲が望ましく、賞味期限は細菌および真菌数を経時的に測定し生産者側で決定する等を指導され、これらを満たすジャムについて製作を試みた。
結果 市販されているキイチゴジャムの官能検査結果では、糖度が低いジャムについては好まれない傾向が見られた。この結果と保存のためにも糖度を高める、キイチゴの特徴である赤色の明度を保つ、ということから、キイチゴ重量1kgに対し500gの糖(ショ糖80%マルトース20%またはトレハロース20%)を加えてジャムを作製、評価後販売した。