一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
67回大会(2015年)
セッションID: 2P-25
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ポスター発表 5月23日 食物
大学生の味覚閾値に関する研究2
*棚橋 亜矢子デュアー 貴子松本 富美子
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キーワード: 味覚閾値, 味覚地図, 大学生
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抄録

目的 「味覚地図」とは、舌の部位によって五基本味(甘味、塩味、酸味、苦味、旨味)に対する感受性が異なっていることを模式した図であり、広く一般的に知られている。しかし、近年では舌の部位による極端な感受性の違いはないとも言われており、否定した報告もみられる。そこで本研究では、味覚分布の有無について検討するため、大学生を対象に舌の部位別に味覚調査を行い、否定されている味覚地図との比較を目的とした。 方法 20~21歳の大学生57名を対象にテーストディスク法に従い、味覚検査を行った。検査液は5種類(サッカロース、塩化ナトリウム、酒石酸、硫酸キニーネ、グルタミン酸ナトリウム)各5濃度で実施し、感じた味と認知閾および舌の部位を求めた。データの統計処理にはSPSSを用い、五基本味の認知閾と男女差との関連についてクロス集計およびχ2検定を行った。 結果 舌先端部は61.4%が酸味、中央部では73.7%が塩味、側縁部では61.4%が酸味と苦味、頬内面部は38.6%が酸味を最も感じ、舌根部は何味も感じないという結果であった。味覚地図と比較すると中央部の塩味と側縁部の酸味は同じだが、他の部位は異なっていた。舌の部位によって感じる味やその強さが異なることが明らかになったが、基本味に関しては味覚地図のような極端な味覚の差はないということが判明した。即ち、食品から得られる味は舌全体を通して統合的に感じていることが示唆された。

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