一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
67回大会(2015年)
セッションID: 2P-34
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ポスター発表 5月23日 食物
日本におけるパンを主食とする食事の変遷とその料理分析
*礒部 喜代子柳澤 幸江
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抄録

目的 2011年に2人以上世帯のパンの購入金額が米を超え、国民健康・栄養調査においても、1970年ごろからパンの摂取量が増加し、現在は1950年代半ばの2倍となっている。そこで、日本の食生活が大きく変化し始めた1960年代から現在までの約50年間におけるパン食献立の変化を、料理雑誌から分析し検証した。
方法 「栄養と料理:女子栄養大学出版部」に掲載されたパンとご飯を主食とした1食単位の献立を、50年前、25年前、現在の3時点において抽出した。さらに献立ごとに調理方法及び使用食材を分析しその出現頻度を求めた。食材については主成分分析を用い、パン食の料理食材特性を検討した。
結果と考察 抽出したパン食は、50年前は42献立、25年前は33、現在は37、ご飯食はそれぞれ、62、60、49であった。調理方法は、パン食はサラダを主とした和え物が多かった。ご飯食は煮物と汁物が多く漬物は減少傾向にあった。各献立で用いられた食材種は全89品、内パン食での出現は49品、ご飯食は68品で、パン食の方が使用される食材の種類が少なかった。出現食材による主成分分析の結果、この50年間の時代変化は小さく、食材はパン的食材(牛乳、バター、生食果物等)とご飯的食材(大豆加工品、海草、大根等)に分けることができた。パンの摂取量は増加しているものの、パン食で使用される食材は時代変化が小さく、現在でもご飯食とは明らかに異なることが示された。

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