一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
68回大会(2016)
セッションID: P-006
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ポスター発表 5月28・29日 食物
グリーンナッツオイル摂取が老化促進モデルマウス(SAMP8)に及ぼす影響
*大岩 倫子竹山 恵美子浅倉 奈々足立 歩美阿部 祥子上村 恵理華相良 智美福島 正子
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抄録

目的 n-3系不飽和脂肪酸は炎症や認知能低下への予防効果等が期待されているが,体内の脂肪酸量は加齢により減少し,記憶や学習能低下を招く可能性がある。我々は以前,α-リノレン酸を多く含むグリーンナッツオイル(GNO)食を月齢の異なるマウスに投与し,GNO摂取が加齢による脳内DHA量の低下を抑制する可能性を示唆した。そこで今回,老化促進モデルマウス(SAM)を用い,加齢およびGNO摂取による影響について調べた。

方法 実験には,学習・記憶障害という形質を持つSAMP8(P群)と,対照動物のSAMR1(R群)の4週齢雄マウスを用いた。1週間の予備飼育後,それぞれのマウスをGNO投与群(GNO群)とコーンオイル投与群(CO群)に分け,AIN-93G(大豆油抜き)にGNOとCOをそれぞれ7%添加した飼料を与え,82日間飼育した。また,本飼育開始時と解剖前にY字迷路試験を行った。屠殺したマウスの脳,肝臓,赤血球膜から脂肪酸を抽出し,メチルエステル化後,ガスクロマトグラフにより分析した。

結果 Y字迷路試験における交替行動率は,GNO群ではP,R群ともに本飼育開始時より解剖前の方がわずかに高い値を示した。対して,CO群の交替行動率は,R群では本飼育開始時と解剖前とでほぼ変化がなく,P群は解剖前の方が低値を示した。また,各器官におけるDHA量は,CO群よりもGNO群の方が高値であり,アラキドン酸量はCO群の方が高い値を示した。

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