一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
68回大会(2016)
セッションID: P-007
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ポスター発表 5月28・29日 食物
雑穀類の新たな利用法を目指して調製した各糖化液の機能性評価
*橋詰(高澤) 奈々世岩田 惠美子土田 幸一小林 理恵榎本 俊樹
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抄録

【目的】近年では、キヌアやアマランサスなどの雑穀が高い栄養価や機能性を有することなどからスーパーフードとして注目されている。しかし、古くから日本でも栽培されてきたアワ、キビ、ヒエ、ソバ、大麦などの雑穀も抗酸化能などの機能性を有することが報告され健康増進を目的とした需要が高まっている。そこで、本研究ではこれら5種の雑穀のデンプンを酵素糖化し、雑穀由来糖化液(以後糖化液)を調製しその機能性について評価した。 【方法】5種の雑穀粉を水に分散させ、酵素(α‐アミラーゼ、β‐アミラーゼ、プロテアーゼ)により糖化を行い、遠心分離後の上澄み液を測定用糖化液とした。各糖化液はBrix20%の原液と、これをBrix40%に加熱濃縮した糖化液を調製し、それぞれのペルオキシラジカル捕捉能から抗酸化能を評価する他、ACE阻害活性を比較した。 【結果】各糖化液のペルオキシラジカル捕捉能については、ソバが最も高く、次いで大麦、アワ、ヒエ、キビの順となった。ソバおよび大麦糖化液は他の糖化液に比較しポリフェノールが多く含まれるため、抗酸化能が高くなったと考える。ACE阻害活性はいずれの糖化液も高い活性が認められ、ソバおよび大麦糖化液のそれは特に高かった。また、全ての試料においてBrix20%に比較し40%の糖化液の活性値が上昇していた。以上のように各糖化液は高い抗酸化能およびACE阻害活性を有していることから、これらの機能性を活かした利用法を追究する意義がある。

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© 2016 一般社団法人 日本家政学会
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