一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
68回大会(2016)
セッションID: P-019
会議情報

ポスター発表 5月28・29日 食物
黒米の抗酸化活性に及ぼす加工処理の影響
*谷本 憂太郎長田 亜梨沙菅野 友美鵜飼 光子
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

目的 黒米は白米と比較して抗酸化活性が高いといわれている。本研究ではこの黒米とパスタやうどんなどの市販の黒米加工品について抗酸化活性(ラジカル捕捉活性)を測定し,原料及び白米加工品と比較するとともに,加熱や発酵などの加工処理が抗酸化活性に及ぼす影響について検討した。
方法 全ての粉末試料は80%エタノール抽出を行った。原料の黒米粉及び黒米茶(焙煎)は熱水抽出を行った。各抽出液を10mlとり,105℃で乾燥後,乾固重量を測定した。抗酸化活性はDPPH(2,2-diphenyl1-1-picrylhydrazyl)法でDPPHラジカルの捕捉活性を評価し、電子スピン共鳴(Electron Spin Resonance; ESR)スピントラップ法ではヒドロキシルラジカル及びスーパーオキシドラジカルの捕捉活性から評価した。
結果 抽出方法では熱水よりも80%エタノール抽出の方がどのラジカル捕捉活性も高かった。原料である黒米と黒米茶では黒米茶の方がDPPHラジカル捕捉活性,スーパーオキシドラジカル捕捉活性が高かった。これは焙煎が原因であると考えられた。黒米加工品のうち,黒米パスタがどのラジカル捕捉活性においても最も高い活性を示した。このことから黒米パスタには3種のラジカル捕捉活性があると考えられた。また,甘酒,ビールのDPPHラジカル捕捉活性,ヒドロキシルラジカル捕捉活性についてはそれぞれの原料が白米のものより活性が高かった。以上の結果から黒米加工品は白米加工品よりもラジカル捕捉活性が高く,加工処理によりラジカル捕捉活性が異なることがわかった。

著者関連情報
© 2016 一般社団法人 日本家政学会
前の記事 次の記事
feedback
Top