一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
68回大会(2016)
セッションID: P-025
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ポスター発表 5月28・29日 食物
家庭料理としての“正月料理”伝承に寄与する因子の検討
*山澤 和子堀 光代
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抄録

【目的】行事に因んだ食の伝承基盤は家庭にあり、各家庭で行事食を大切に伝え継いでいくことは先人の知恵や行事食の由来を学び、家族の絆を深める良い機会と考えられる。本研究では、日本の伝統的行事のなかでも認知度の高い「正月」に焦点を当て「家庭の正月料理」伝承のために有効な因子を明らかとすることを目的とした。
【方法】平成24及び25年1月1〜5日に正月料理の準備への関わり方や準備の方法、その調理方法を家族の誰から受け継いだか(影響者)等をG県G市の女子短期大学学生に調査した。なお、分析は18~20歳の165名を用いた。行事食の伝承因子として家族構成員に世代幅があることおよび調査対象者が正月料理作りを手伝うことを仮説に分析した。
【結果】家族構成別にみると、祖父母等との同居家庭(63.8%)では、餅を自宅で搗く・田作りを自宅で作る・数の子を市販品で購入するとの回答が高率であった。一方、核家族家庭(36.2%)では、餅を市販品で購入する・田作りを市販品で購入する・数の子を自宅で作るとの回答が高率であった(p<.05)。正月料理作りへの関わり方では、正月の料理作りを手伝った対象者(17.3%)の家庭では「餅は自宅で搗く」、手伝わなかった対象者(82.7%)の家庭では「餅は市販品を購入」とした比率が高かった(p<.05)。なお、手伝わなかった対象者の特徴として、家族構成では核家族、居住県では愛知県在住者が目立った。

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