一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
68回大会(2016)
セッションID: P-037
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ポスター発表 5月28・29日 食物
児童の生活習慣および栄養に関する知識の発達的変容
*大森 桂
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抄録

目的 生涯にわたる健康の保持増進のためには、幼少期からの食に関する適切な指導が重要である。本研究は、発達段階に応じた食教育の効果的な方法について検討するための基礎資料を得ることを目的とし、児童の生活習慣や栄養に関する知識等の実態を調査した。
方法 山形県内の公立のA小学校(在籍児童149名)において、全学年の児童および保護者を対象に、2015年7月に質問紙調査を実施した。就寝および起床時刻、朝食の摂取状況等の生活習慣の他、家庭での食に関する会話の頻度、不定愁訴等について尋ねた。知識については、給食指導や家庭科の学習内容をふまえ、五大栄養素の働きおよび栄養素の3つの働きについて尋ねた。各設問の回答率を算出し、男女別に学年間で回答率の比較等を行った。
結果 平日の起床時刻については6時~6時半、就寝時刻については21時~22時と回答した児童がどの学年においても最多であったが、高学年になると22時以降に就寝する者も3割以上に増えていた。不定愁訴に関し、高学年になると「疲れる」と回答する者が増加する様子が見られた。これらのことから、児童が各家庭で十分に休養をとり、翌日までに疲労を回復できるよう支援する必要があると考えられる。体の調子を整える食品に対する児童の理解度は高いが、高学年においても無機質に関する正答率は低く、無機質に関する知識の定着に有効な指導方法を開発する必要性が示唆された。

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