一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
68回大会(2016)
セッションID: P-040
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ポスター発表 5月28・29日 食物
青い皿の色調が食物のおいしさに与える影響
*小泉 茉由松島 悦子
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抄録

【目的】おいしさは、食物や食べる人、環境などの要因で形成される主観的なものである。食物からの情報は味覚や視覚、嗅覚などで知覚され、色はおいしさの評価を左右する重要な要因である。先行研究によると、青や紫など寒色の皿は食欲を減退させると指摘されているが、藍色の皿は古くから一般的に使われてきた。そこで本研究では青い皿に着目し、その色調の違いがおいしさの印象にどのように影響を与えるかを明らかにした。 
【方法】A大学の女子学生と教職員62人を対象として、明度と彩度の異なる4種類の青い皿に煮魚やハンバーグ、サラダ、そうめんなど8種類の料理を盛り付けた画像を作成し、印象評価を行った。評価法は、SD法に基づき、おいしさにかかわる形容詞対7項目に対する5段階評価である。事前に質問紙調査を行って、画像に用いる皿の形や料理を選定した。
【結果】「おいしそう」という評価はサバの味噌煮などの茶系の料理で低く、同じ料理でも皿の明度・彩度の違いによって評価は異なった。これは、皿の色と料理の色との対比という視覚現象によるものと考える。また、温かい料理でも「冷たそう」と評価され、青い皿は料理を冷たく見せる効果が確認された。以上より、皿の青という色相のみならず、明度や彩度も料理のおいしさの印象に影響を与えることが明らかとなった。また、学生と教職員では、明るさや華やかさの項目で評価に有意差が認められ、好まれる明度・彩度は年齢により異なることが示唆された。

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