一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
68回大会(2016)
セッションID: P-049
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ポスター発表 5月28・29日 被服
リンクルシワのついた色柄布の形態安定性の評価
*森 俊夫吉岡 陽一郎遠藤 祐里
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抄録

目的 従来,しわ外観の評価は熟練者による目視で行われてきたが,この評価は主観的で,疲労も伴うことから,客観的な評価が望まれている.さらに,色柄模様によってしわ外観がカモフラージュされるので,曖昧性も伴い評価がより困難となる.そこで本研究では,色彩画像解析を適用し,種々の布のしわ回復性を客観的に評価する方法を導入すると共に,新しい形態安定性評価法を提案することを目的とした.
方法 試料布(日清紡テキスタイル㈱生地提供)として綿単色布6種,ポリエステル単色布6種と綿色柄布9種類を用いた.リンクル試験機によりしわを付与した.解像度72dpi,504×504pixelsの条件で取り込んだテクスチャ画像を,色彩画像解析によりL*(明度)画像に変換し,L*のヒストグラム曲線および明度平均を求めた.角二次モーメント(ASM),コントラスト(CON),相関(COR),エントロピー(ENT)の4つの形態情報量を求めた.
結果 リンクルしわをつけた単色布で,黒布ではしわ付与の前後においていずれの特徴量についても大きな変化が見られなかったことから,カモフラージュ効果が高く,白や黄の布では低いことが分かった.リンクルしわの経時変化を示すしわ回復挙動に対して,しわ回復指数を導入した.回復曲線のカーブフィティングから求めた回復指数の比較から,黒の布は白や黄の布よりも,また色柄の複雑なものほどカモフラージュ効果が高いと判断した.

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© 2016 一般社団法人 日本家政学会
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