一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
68回大会(2016)
セッションID: 3E-07
会議情報

口頭発表 5月29日 食物
フラクトオリゴ糖入り緑茶飲料の開発とヒト飲用試験
*岡本 由希内山 裕美子高橋 貴洋大森 正司松崎 敏南条 文雄原 征彦
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録



目的 フラクトオリゴ糖は難消化性多糖類として知られ,すでに消費者庁にも認められている特定保健用食品として市販されているものである.また,緑茶はそれ自体を飲用することにより,含まれているカテキンが中心的な役割を担い,さまざまな生理的・薬理的効果を示すことが報告されている.そこで本研究では,フラクトオリゴ糖とカテキンを同時に用いることで,ヒトの腸内環境等におよぼす影響を明らかにすることを目的として,ヒトへの飲用試験を行い,知見が得られたので報告する.

方法 飲用試料は,フラクトオリゴ糖の特定保健用食品(規格基準型)の1日摂取目安量3~8gを考慮し,3区に調製した.すなわち,飲料1包当たり,フラクトオリゴ糖0~5g,カテキンはそれぞれ350mgとし,デキストリンを用いて粉末総量を13.0gに調製した.飲用パネルは,和洋女子大学のボランティア学生を中心に180名に依頼し,無作為に3群に分け,1か月間に渡って1日1包を約350mlの温湯に溶解し,その日のうちに自由に飲用することを依頼した.飲用試験の開始前および終了後に自覚症状に関するアンケートを実施した.なお,本試験は和洋女子大学ヒトを対象とする生物学的研究・疫学的研究に関する倫理委員会の承認を得て実施した(承認No.1518).

結果 飲用開始前のアンケートから,普段の茶の飲用状況,皮膚症状や腸に関連する症状について確認をした.そして,飲用1か月後に実施したアンケートにおいては,ニキビ等の皮膚症状が改善したケース,主として便秘が改善されたケースが多く見られた.フラクトオリゴ糖と緑茶を併用した飲料を継続飲用することにより,ヒトの腸内環境が改善されたことが明らかとなった.

著者関連情報
© 2016 一般社団法人 日本家政学会
前の記事 次の記事
feedback
Top