主催: (一社)日本家政学会
会議名: (一社)日本家政学会第69回大会
回次: 69
開催地: 奈良女子大学
開催日: 2017/05/26 - 2017/05/28
【目的】食後高血糖は食後の一過性酸化ストレスとして考えられている。この食後高血糖を起因とする酸化ストレスの断続的な、しかし継続的な負荷が糖尿病や心血管疾患等のリスクファクターの一つと目されてから久しい。そこで我々は、井上・薗田らの赤血球をバイオマーカーとした生体酸化ストレス度評価法を用いてほうれん草を始めとする高硝酸イオン含有食品による食後一過性酸化ストレスの影響を検討した。
【方法】20歳代健常女性を被験者とし、高硝酸イオン含有試料(ほうれん草、ビート)または、試料に含まれる食物繊維の影響を調べるため対象試料として高食物繊維含有試料(ゴボウ)を精白米めしの摂取前、または同時に摂取した。絶食時及び摂取後120分まで30分毎に血糖値を測定した。また、生体酸化ストレス度は被験指頭血に規定量の酸化ストレスを追負荷し、経時的に追負荷に対する酸化抵抗性を溶血率から算出し評価した。
【結果・考察】生体酸化ストレス度評価法において若年健常者では、食後一過性の酸化ストレスが検出される群と検出されない群に分かれた。検出群において高硝酸イオン含有試料を精白米めし摂取前に摂取した場合、血糖値の上昇抑制、生体酸化ストレス軽減がみられた。一方、高食物繊維含有試料においては食後高血糖を抑制する結果を得たが、酸化ストレス軽減効果は見られなかった。以上より、食物繊維より硝酸イオンの方が酸化ストレスに関与していることが示唆された。