一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
69回大会(2017)
セッションID: P-011
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ポスター発表 5月27・28日 食物
超臨界二酸化炭素抽出を用いたヒュウガナツの部位による成分比較
食品残渣の有効活用について
*﨡原 絹子白井 枝里子谷口(山田) 亜樹子佐藤 祐子吉田 真史
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抄録

目的 ヒュウガナツ(Citrus tamurana)は他の柑橘類に比べ内果皮(アルベド)が厚く、食べることが出来る。しかし、ヒュウガナツを飲料に加工する場合、果汁のみが利用され、果皮や搾汁滓が大量に発生する。その残渣は利用がされないまま廃棄されことが多い。しかし、果皮や搾汁滓には多くの有用な成分が含まれている。一方、超臨界二酸化炭素抽出は香料や生理活性物質などの抽出に優れ、溶媒の残留がなく、安全であることが知られている。本実験では、ヒュウガナツの果皮および搾汁滓の新たな利用法のひとつとして精油に着目し、ヒュウガナツの部位ごとの成分の違いを検討する。
方法 ヒュウガナツを外果皮、内果皮、じょうのう、種子に分け、乾燥した後、超臨界二酸化炭素抽出を行い、ガスクロマトグラフ質量分析計(GC-MS)によって成分分析を行った。
結果 外果皮から超臨界二酸化炭素抽出(40℃、100atm)により、リモネン、γ-テルピネン、リナロール、α―テルピネン、シメンなどの成分を抽出することが出来た。これらの成分は内果皮にも含まれていたが、その成分比には大きな差異が認められた。これらの結果より、果皮から精油成分を超臨界二酸化炭素により効率よく抽出できた。また、部位を分けることで異なる成分を抽出することが出来きることがわかった。これより、残渣を分別することで、食品添加物や芳香剤など目的応じた有効利用の可能性が示唆された。

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