主催: (一社)日本家政学会
会議名: (一社)日本家政学会第69回大会
回次: 69
開催地: 奈良女子大学
開催日: 2017/05/26 - 2017/05/28
目的 これまでプロセスチーズ類の風味にチーズの熟成味を付与する方法として、配合する原料チーズに熟成チーズを多く使用したり、あるいはうま味調味料や香料を添加したりすることが行われてきた。しかし熟成チーズを多用すると、出来上がりのプロセスチーズ類の組織の安定性に影響を引き起こすことがある。またうま味調味料や香料を使用したチーズ類は、風味が人工的である印象を受けることもある。そこで、天然の果汁を原材料とした際のプロセスチーズ類の風味への影響について検討した。
方法 原料チーズとしてチェダーチーズを使用した。かんきつ類等の濃縮果汁に、pH値調整のため炭酸ナトリウムを水に溶解させて混合した。これを粉砕したチーズと共にケトル型乳化機に投入し加熱溶融を行い、プロセスチーズ類を作製した。作製したサンプルと、乳化剤(リン酸ナトリウムまたはクエン酸ナトリウム)を使用した既知の配合のプロセスチーズとを比較するため、官能評価を行った。
結果 濃縮果汁を配合したプロセスチーズ類は、既知の配合のプロセスチーズと比較して、異なる風味特性を示すことが明らかとなった。また濃縮果汁の種類を選択することで風味の多様化が確認され、風味レベルの調整も可能であることが示唆された。