一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
69回大会(2017)
セッションID: P-017
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ポスター発表 5月27・28日 食物
植物種子抽出物による時計遺伝子の活性化機構
*岡田 悦政岡田 瑞恵
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抄録

目的 哺乳類において、24時間周期システムは、視床下部中の視交差上部の核や、周辺組織(例えば肺組織)に存在する。 一方、若齢、老齢ヒト線維芽細胞に対する熱水とエタノ-ル抽出両サンプルの時計遺伝子(Per1とBmal1)の活性化を昨年の本学会において報告した。Bmal、PerのmRNA発現制御は、長寿遺伝子(Sirt1)の活性化あるいは、グルココルチコイド受容体 (Glucocorticoid Receptor; GR) が、リガンド依存的に核内移行して転写因子として活性化されるかのいずれかである。それ故、時計遺伝子の活性化の機構を探るため本研究では、GRに対する効果を検討し、Sirt1と比較分析した。
方法 乾燥種子に水を加えホモジネートし、湯煎にて加熱(95-100℃、10分)後、60分間攪拌した。その後、ろ過して熱水抽出サンプルとした。また、エタノール抽出は、種子に2~5倍量の70%エタノールを加え、撹拌後24時間ホモジェネートし、ろ過してサンプルとした。ヒト肺由来線維芽細胞TIG-1-60(PDL60)TIG-1-20(PDL20)は調製培養後、サンプルを加え37℃、5%CO2条件下で4時間培養した。培養後、その上清についてGR活性化への影響を測定した。
結果 若齢細胞に対するGR量(ng/mL)への影響は、チンゲンサイ0.526,ホウレンソウ0.290、コマツナ1.92、ニガウリ0.845、レタス0.230であった。一方、老齢細胞に対するGR量(ng/mL)への影響は、コマツナ1.20、コーン0.261であった。また、これらの値は、Sirt1の発現量との関連性が推察された。

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© 2017 一般社団法人 日本家政学会
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