一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
69回大会(2017)
セッションID: P-019
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ポスター発表 5月27・28日 食物
長崎県産物由来植物性乳酸菌を使用した発酵豆乳の機能性の検討と嗜好性の改善
江口 恵加湯浅 正洋*冨永 美穂子
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抄録

【目的】我々は長崎県産物由来植物性乳酸菌を使用し発酵豆乳の開発を行ってきている。発酵豆乳の酸味や大豆香が嗜好性に影響し、改善が必要と考えられた。一方、多くの植物性乳酸菌は、消化液耐性などの特徴を持つことが報告されているが、使用乳酸菌については十分に検討されていない。そこで本研究では、使用乳酸菌の機能性に関わる特徴を明らかにし、開発した発酵豆乳の嗜好性の改善について検討を試みた。〈BR〉【方法】MRS培地で本培養した5種の乳酸菌培養液を豆乳100 mLに約0.04%接種し、37℃で20時間保温し発酵豆乳を調製した。機能性に関わる項目として、人工消化液耐性(ペプシン処理:pH 3.0、3時間および胆汁・パンクレアチン処理:pH 8.0、3時間)およびDPPHラジカル消去活性を測定した。発酵豆乳の味覚応答について味認識装置を用いて分析し、乳酸菌の違いや甘味料・香料添加による嗜好性を21~25歳の女性をパネルに評価した。〈BR〉【結果】使用した植物性乳酸菌5種はいずれも人工消化液耐性を示し、生きて腸まで届く可能性が示唆された。DPPHラジカル消去活性は、乳酸発酵前後および発酵豆乳間でほとんど差は見られなかった。味覚応答は、酸度の高い発酵豆乳ほど酸味および渋味刺激が高値、塩味および旨味が低値を示した。発酵豆乳の嗜好性には「酸味の強さ」が最も影響し、酸生成度の低い乳酸菌を用いた発酵豆乳が好まれ、甘味添加で評価が更に高値を示した。

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© 2017 一般社団法人 日本家政学会
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