主催: (一社)日本家政学会
会議名: (一社)日本家政学会第69回大会
回次: 69
開催地: 奈良女子大学
開催日: 2017/05/26 - 2017/05/28
【目的】南部鉄器は鉄の鋳物であり、アルミ鍋に比べて蓄熱性が高く、保温性も高いと言われている。うどん釜と言われる平型の鉄鍋は米全体に均等に熱が伝わり熱効率がよいことが期待される。この平型の鉄鍋を用いた炊飯米の特性について評価を行ったので報告する。
【方法】精白米を1時間浸漬した後、うどん釜(釜浅商店、直径30cm)を用い、卓上ガスコンロ(リンナイKG-556G、都市ガス13A)にて炊飯を行った。強火で沸騰させた後、強火2分継続させた後、弱火で所定時間炊飯を行い、炊飯終了直前に強火10秒で余分な水分を飛ばしたのち、5分むらしを行い、炊飯米を作成した。炊飯した米飯サンプルをディスク容器に10g詰め、2.5cm2のパンクチャープローブで貫入試験を行い、硬さ、こし、粘りおよび付着性を得た。同様の米飯を用い、総合評価、外観、香り、味、粘り、硬さの6項目を7段階で食味官能評価を行った。米飯50%エタノール抽出物のイオンクロマトグラフ分析から糖含量を求めた。
【結果】炊飯時間が長くなるにつれ、なべ底のいわゆるおこげの部分が形成され、色も濃くなった。加水量が多くなるにつれ米飯硬さ(H5)は小さくなったが、家庭用IH炊飯器で調整したものより大きな数値を示した。一方、付着性(-A1)は加水量によらず炊飯器炊飯米より大きな値を示し、表層のつやを表す食味度は小さくあるいは電子顕微鏡観察のおねば層が薄かった。