一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
69回大会(2017)
セッションID: P-048
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ポスター発表 5月27・28日 食物
広島風お好み焼きのキャベツの嗜好性と糖量,テクスチャーの関係
*檀上 沙梨吉田 充史村川 秀樹杉山 寿美
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抄録

目的 広島風お好み焼きには多くのキャベツが使用され,加熱時にお好み焼きは鉄板上で2度返されるため,鉄板から近くなったり遠くなったりするキャベツと,常に中ほどに位置するキャベツが存在する。本研究は,お好み焼きキャベツおよび加熱温度の異なる茹で,蒸しキャベツの糖,テクスチャー分析と官能評価から,広島風お好み焼きの嗜好性を検討した。
方法 鉄板からの位置により上,中,下層としたお好み焼きのキャベツと茹で,蒸しキャベツ(65℃,80℃,95℃)を試料とした。全糖量と搾汁中糖量はフェノール硫酸法で,テクスチャーはキャベツ6枚に対する剪断強度を測定した。官能評価は,加熱温度の異なる蒸しキャベツ3試料とこれらの混合キャベツの計4種類の甘味とテクスチャーとした。
結果 お好み焼きキャベツや茹で,蒸しキャベツの搾汁中糖量は生キャベツよりも高く,また,お好み焼きキャベツでは中層で高く,蒸しキャベツでは加熱温度による差は認めらなかった。テクスチャー測定ではお好み焼きキャベツの上層,下層および加熱温度が高い茹で,蒸しキャベツで剪断ピークが少なかった。官能評価では加熱温度が高いキャベツは強い甘味を早く感じる一方,軟らかいテクスチャーが好まれず,混合キャベツは持続的な甘味と好ましいテクスチャーとされた。以上より,広島風お好み焼きでは,不均一な加熱のキャベツが有する甘味とテクスチャーが嗜好性へ影響していることが示された。

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© 2017 一般社団法人 日本家政学会
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