一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
69回大会(2017)
セッションID: P-049
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ポスター発表 5月27・28日 食物
黒豆の物性および嗜好性に及ぼす調理方法の影響
*土岐田 佳子藤井 恵子
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抄録

目的 豆類は日本人の伝統的な食文化において欠かすことのできない食材であるが、その中でも黒豆は仕上がりに調理技術が影響する。そこで真空調理の応用可能性を検討することを目的とし、従来の鍋調理と真空調理で調製した黒豆の物性および嗜好性について検討した。
方法 黒豆30gを浸漬後、真空調理試料は、黒豆重量の2倍量の調味液を加え真空包装し、97℃の湯煎で2.5時間加熱した。コントロールとして真空包装用フィルムに黒豆と調味料を入れシールのみをした試料について同時に調製した。鍋調理試料は黒豆30gを浸漬後、1500gの調味液とともに鍋に入れ沸騰水中で2.5時間加熱し調製した。調製した黒豆について色度、破断特性、還元糖量等を測定し、さらに官能評価を行い食味特性について評価した。
結果 コントロールと真空調理試料は鍋調理試料と比べ、L*値が高値、b*値が低値を示し黒豆色素が残存していることが示された。破断特性は、コントロールと真空調理試料が鍋調理試料よりもみかけの破断ひずみ、みかけの破断応力、みかけの破断エネルギーが有意に低値を示し、初期弾性率は高値を示した。還元糖量は、加熱調理後の調味液で、コンロールと真空調理試料は鍋調理試料と比べ有意に低値を示し、調味液への還元糖の溶出を低減できる調理法であることが示された。官能評価の結果は、真空調理試料は鍋調理試料と比べ、ふっくら感、色の濃さ、つやの3項目で有意に高値を示した。

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