一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
69回大会(2017)
セッションID: 3H-02
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口頭発表 5月28日 食物
拘束ストレス負荷マウスに対するカルノシン酸の抗ストレス効果の検討
*Nong Quynh Nga萱島 知子畑中 悠花柴田 紗知上野 純弥永尾 晃治松原 主典
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抄録

目的 神経細胞保護作用と脳機能改善作用を示すローズマリー成分カルノシン酸(CA)について、抗ストレス効果を検証するために、拘束ストレス負荷マウスの腸内細菌叢や炎症性サイトカインに対する影響を第68回大会にて報告した。本研究では、さらに詳細な影響を明らかにするために、拘束ストレス負荷マウスの腸内環境、血清・肝臓因子に対するCA摂取の影響を検討した。
方法 Balb/c雄マウス(5週齢)をノーマル群、拘束ストレスを負荷したストレス群、CAを摂取させ拘束ストレスを負荷したCA群の3群に分け、30日間飼育した。CA群には50 μM CAを飲水として自由摂取させた。7日間1日5時間の拘束ストレスを与えた後、解剖し、血液・肝臓成分の分析、腸内細菌叢の解析、小腸・大腸の組織化学的評価及び遺伝子発現の分析を行った。
結果 ストレスホルモンの一種である血清コルチコステロン濃度について、ノーマル群と比較し、ストレス群での有意な上昇が確認され、CA群ではこの上昇が抑制された。また、小腸でのHSP70の遺伝子発現について、ストレス群での有意な上昇がCA群では抑えられた。これより、CA摂取が拘束ストレス負荷マウスに対して、好ましい影響を与える可能性が示唆された。一方、肝臓トリグリセリド含量について、ストレス群での低下が確認されたが、これに対するCA摂取での改善効果はみられなかった。

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